おから事件 (最高裁平成11年3月10日第二小法廷決定)

皆さん、こんにちわ(^∇^)。ちょっとバタバタしており、この二日間ほど更新が滞っておりました(;^_^A。今日は、かなり唐突ですが、「おから事件」という有名な判例について書かせて貰います。

「おから」

というのは、大豆から豆腐を製造する過程で豆乳を絞った際の搾りかすのことですが、今回話題にあげる「おから」も同じ「おから」です。

大豆から豆乳を搾った後の搾りかすですので、食用にする場合も値段はごく安価で提供され、場合によっては無料で分け与えたりすることもあったようですが、最近では食品としての需要が供給を大きく下回り、また品質の劣化が早いため、家畜の飼料として使われるか、脱水して保存性を高めて供給される他はほとんどが廃棄されているようです。

ところで、この搾りかすである「おから」は廃棄物処理法の廃棄物のカテゴリーに入るのでしょうか?

もし、カテゴリーに入るとした場合、

その処分には廃棄物処理業の許可が必要になり、

入らない場合は許可は不要となります。

「おから事件」というのは、その点が争われた事件です。

<事実の概要>
被告人Yは、「おから」の処理委託を三つの業者から無許可で受けた。処理料金を徴収し「おから」を収集、運搬、熱処理、乾燥の後、飼料・肥料を製造した。
このことが、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下、廃掃法)14条1項・4項違反を構成するとして起訴された。
第1審では、「おから」は食品利用が極めて少ない点から不要物たる産業廃棄物にあたること。また、保健所より無許可操業中止勧告がなされていて廃掃法違反を構成することを熟知していること。これらのことからYを40万円の罰金刑に処した。
第2審でも「おから」処理の現状から、「もっぱら再生利用の目的」とされる物にはあたらず「おから」を不要物とし、控訴を棄却した。

 これに対しYは、「おから」を廃棄物として明文で規定した法律がない点、「おから」を再生加工することにより飼料・肥料とすることを企図したものであり、もっぱら再生利用目的とするもののみの収集又は運搬を業として行う者を除外事由とする廃掃法14条1項但書・4項但書に該当するものである点、「おから」は食用にもなるのでそもそも不要物にあたらないことを理由に上告。

被告人であるYは許可を得ずに、豆腐製造業者から「おから」を受け取り、「おから」は廃棄物ではないという認識のもと許可を得ずに営業をしたところに行政から処分が入ったわけです。

結果は以下の通りとなりました。

<決定要旨>
上告棄却
「産業廃棄物について定めた廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(平成5年政令第385号による改正前のもの)2条4号にいう『不要物』とは、自ら利用し又は他人に有償で譲渡することができないために事業者にとって不要になった物をいい、これに該当するか否かは、
その物の性状、排出の状況、通常の取り扱い形態、取引価値の有無及び事業者の意思等を総合的に勘案して決するのが相当である

そして原判決によれば、おからは、豆腐製造業者によって大量に排出されているが、非常に腐敗しやすく、本件当時、食用などとして有償など取引きされている利用されるわずかな量を除き、大部分は、無償で牧畜業者等に引き渡され、あるいは、有料で廃棄物処理業者にその処理が委託されており、Yは、豆腐製造業者から収集、運搬して処分していた本件おからについて処理料金を徴していたというのであるから、本件おからが同号にいう『不要物』に当たり、前記法律2条4項にいう『産業廃棄物』に該当するとした原判断は、正当である。」

「おから」は食用として使うこともあるが、「おから」が食用として使用される量は全体の量に占める割合は極めて低く、

① 大部分は有効利用されていないという通常の取扱い形態

さらに、

②腐敗しやすいという客観的性状

にもかかわらず、

③被告は豆腐製造業者から処理費用を徴していた

以上の点から、本件の「おから」は廃棄物と判断されました。

(念の為に言っておきますが、廃棄物と判断したのは本件の「おくら」であり、すべての「おくら」を廃棄物と判断したわけではありません)

 

このように、ある物が廃棄物に該当するか否かで、扱った業者の処遇が大きく異なることがあります。業者に故意がなかったとしても、廃棄物と判断された場合は無許可営業とされてしまいます。

このような事件は他にも数例あります。

また折を見て、書かせて頂きます(^_^)。

 

 

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