ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)と耕作放棄地の解消

唐突ですが、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)ってご存知でしょうか?

ソーラーシェアリングとは、農地に支柱を立ててその上に太陽光発電設備等の発電設備を設置し、農業と発電事業を同時に行うという一石二鳥的な設備のことをいいます。「営農」ですから、文字どおり農業を営みます。

農林水産省は、「営農」するにせよ、農地に支柱を立てて太陽光発電設備等の設置することは、農地の転用にあたるとして長年認めては来ませんでした。

しかし、農地における農業の適切な継続を条件に、

一時転用

として認めることとし、2013年3月に、

「支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取扱いについて」

を公表しました。これによりソーラーシェアリングを行うことが可能となったのですが、その際に農林水産省が示した指針の概要は以下の通りです。

1. 支柱の基礎部分について、一時転用許可の対象とする。転用許可期間が3年間以内であること(問題がない場合には再許可可能)。

2. 支柱は簡易な構造で容易に撤去できるものであること

3. 下部の農地における適切な農業の継続が確実であること

4. 下部の農地における単収が同じ年の地域の平均的な単収と比較しておおむね2割以上減少しないこと

5. 許可の条件として、年に1回の報告を義務付け、農産物生産等に支障が生じていないかを確認すること。

農林水産省がこのガイドラインを公表したことで事業化が可能となったのですが、先日4月3日のニュースで、再生可能エネルギーを用いた発電事業等を行うSBIエナジー株式会社(本社:東京都港区)が、千葉県匝瑳(そうさ)市にて商用運転を開始したとの報道がありました。

面積は3.2ヘクタール、発電施設の最大出力は1MWで、想定年間発電量は約1,424MWh(20年平均)、一般家庭約288世帯分の年間電力量を賄うとともに、約718t-CO2/kWhのCO2削減に貢献できるようです。

太陽光発電パネル下部の農地では、地元の農業生産法人による大豆や麦など付加価値の高い農産物の有機栽培を予定し、まさに一石二鳥の事業です。

千葉県匝瑳(そうさ)市のこの土地もそうですが、今回利用している農地は、実は耕作放棄地だったようです。

耕作放棄地とは、以前耕作していた土地で、過去1年以上作物を作付けせず、この数年の間に再び作付けする考えのない土地のことを言いますが、年々放棄地の面積は増えています。

平成28年に農林水産省が発表した資料に基づきますと、昭和50年には13.1ヘクタールだった面積が、平成27年には42.3ヘクタールと約3倍以上増加し、その主たる原因が「⾼齢化、労働⼒不⾜」とされておりますので、今後、放棄地の面積が増加することはあっても、減少することは考えにくいのではないでしょうか。

耕作が放棄されたから、違う事業に有効活用しようと言うのは、

「農業」

という面だけを捉えると、論点のすり替えのような気がしますが、地域資源の維持管理や⽣活サービスの維持等を考慮すると、今回話題にあげた

「ソーラーシェアリング」

は、耕作放棄地問題の解消や地域経済の活性化、或いは農業振興、エネルギーの地産地消等、複合的に好循環をもたらす可能性を感じます。

皆さんは、このニュースをどうお感じでしょうか。。。

 

 

 

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